社会福祉HERO'S TOKYO2021 プレゼンテーターインタビュー①

社会福祉HERO’S TOKYO2021
プレゼンテーターインタビュー①

2022.03.05

社会福祉HERO’S TOKYO 2021の開催まであとわずか。

そこで全国の応募者のなかから選抜されたプレゼンテーター6人に、当日への意気込みを語っていただきました。

今回は作業療法士の若狭利伸さんです。

(聞き手：ひとりひとりが社会福祉HERO’S 編集長　山田英治)

障がいが重い方でも楽しめる、eスポーツで楽しいリハビリを

若狭利伸さん（秋田県・社会福祉法人北杜　作業療法士）

山田編集長（以下、編集長）：まずは若狭さんの自己紹介をお願いします！

若狭さん：秋田県にあります社会福祉法人北杜で、作業療法士をしている若狭利伸と申します。作業療法士として障がいがある方がたの生活支援の仕事をしています。

入所されている方は、脳血管障害や脊髄損傷の後遺症の方がたが半分以上で、脳性麻痺など生まれつき障がいがある方や進行性のご病気の方など５５人がいる施設です。

編集長：今回このヒーローズに登壇しようと思ったきっかけを教えてください。

若狭さん：私たちの法人の理事が、もともと社会福祉ヒーローズを知っていて、２年ほど前にこういうのがあるんだよって教えてくださいました。前回、応募しようかという話もしていましたが、いろいろ考えて、今年、満を持して出ようということになり応募しました。

リハビリの現場にeスポーツを導入！

編集長：具体的には、どのような取組をされているのですか。

若狭さん：利用者さんのリハビリテーションの目的で、ゲームを取り入れています。最近では、eスポーツと呼ばれたりしていますが、コンピューターゲームやビデオゲームを使って対戦をします。

ようやく、ほかの施設でも取り入れているところが少しずつ増えてはいるのですが、まだまだ認知度が低い気がします。利用者さんたちのリハビリの新しい選択肢として皆さんに発信するチャンスがあればと思っていました。また、私はいま、法人のなかだけではなく、街に出たり地域に出たりしながら、この活動をやらせていただいているので、そういった働き方があることも知っていただく機会になればと思っています。

重度の障がいがある弟はゲームが大好き！

編集長：リハビリにeスポーツを導入しようとした思ったきっかけは、どんなことでしたか？

若狭さん：私自身、ゲームが好きでゲーマーということが第一にあります。私は３人兄弟で、一番下の弟が重度の知的障がいがあり、その弟もマリオ（ゲーム）が大好きで、私がマリオ以外のゲームをやっていると、リセットボタンを押すんです（笑）。弟が、好きなゲームを楽しみにしている姿を見て、障がいがある人にとっても、ゲームは日常の楽しみややりがい、自分の生きがいみたいなものにもつながる可能性があるのではないかなと思っていました。

小学生の頃から、弟のリハビリや訓練についていくなかで、作業療法士の仕事を知り、自分自身が作業療法士になると、ゲームは体が不自由な人たちにもプラスに働く効果があるんじゃないかとぼんやり考えるようになりました。さらに、以前に働いていた認知症病棟や精神科のクリニックで働くなかでも、効果がありそうだなと感じて、いまの職場で導入したという流れです。

自分の「好き」を生かせる福祉の現場

編集長：社会福祉HERO‘S TOKYO 2021の本番ではどんなことを伝えたいですか？

若狭さん：eスポーツの取組は、私自身もゲームが好きということもあり、仕事ですが趣味の延長に近いと個人的には思っています。福祉やリハビリの現場でも、「自分の好きなことや趣味の分野で新たなことにチャレンジできる可能性がある」ということを伝えていきたいですね。

福祉の現場は「人の生活」に関わる支援が中心になるので、利用者さんたちの数だけ支援のカタチがあるのと同時に、職員の数だけ支援のカタチがあるはずで。職員ももっとそれぞれの個性や得意を出してもいいと思うんです。

また、福祉業界はきつくて、給料も安くて、大変というようなメージがありますが、実際に自分で動いてみたら、いろんなことに挑戦できるおもしろい仕事だなと思います。そんな楽しさを、イベントを見ている人にも感じてもらえたらいいなという思いがあります。自分の好きなことで福祉のイメージを変えたいです。