社会福祉HERO’S

社会福祉HERO’S TOKYO 2020 プレゼンテーター インタビュー⑦

編集部ニュース

2021.05.13

社会福祉HERO’S TOKYO 2020の開催まであとわずか。そこで当日登壇する、全国7つのブロックから選ばれたプレゼンテーターに当日への意気込みを語っていただきました。

今回は南関東・甲静ブロック代表で介護福祉士の福本美希さんです。

(聞き手:ひとりひとりが社会福祉HERO’S 編集長 山田 英治)

 

介護保険制度の枠を超え、

支え合いの地域づくりを目指す。

【南関東・甲静ブロック代表 】福本 美希(ふくもと みき)さん

背中を押されてエントリー

山田編集長(以下、編集長):まずは、ご自身のプロフィールからお聞かせください!

福本:福本美希、31歳、ぎりぎり平成生まれの年になります(笑)。

社会福祉法人多摩同胞会の訪問介護のサービス提供責任者とボランティアコーディネーターを兼務しております。

編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」に応募したきっかけはどんなことでしたか?

福本:上司からの勧めで応募しました。元々、エントリー対象に該当するのが自分だけだったというのもありますが、背中を押されて初めて申し込みを考えた感じです。ただその時点で本当に自分がブロック代表に選ばれると思っていたかというと、全く思っていなくて・・・どちらかというと、懸賞に応募するような感覚でした(笑)。

いざ選ばれたことを聞いたとき、上司が喜んでくれたのは嬉しかったですけど、初めは実感がなく、周りにはエントリーしたこと自体なかなか言えてなくて・・・。「すごいね」「頑張って!」と言われるなかでやっと実感が湧いてきたところです。

一人暮らしの経験を活かして

お世話に日々奮闘中

 

編集長:訪問介護のサービス提供責任者とボランティアコーディネーターをされているそうですが、具体的にはどのような仕事でしょうか。

福本:いま担当している仕事に、まず訪問介護があります。ご自宅にお伺いして、買い物を代行したり、掃除をしたり、お風呂に入るのをお手伝いしたり・・・。そういった身の回りのことを定期的に訪問して支援しています。実は私、利用者さんから若く見られることが多くて、「掃除とか家事とかできるの?」っていわれることもしばしば・・・(苦笑)。もちろん熟練の域ではないですが、一人暮らしの経験も活かしながら日々奮闘しています。

その仕事ではほかに、「定期巡回随時対応型訪問介護看護」というのも行っています。これは週1回など回数が決まっている訪問介護とは異なり、短い時間毎日ご自宅に伺う24時間対応の介護サービスです。利用者としては、例えば認知症があり、服薬を忘れてしまう人や、定期的な排泄介助の必要な方などです。

訪問介護のよさは、マンツーマンであること!

編集長:もともと特別養護老人ホームで介護をされていたとのことですが、地域の高齢者のご自宅に伺う「訪問介護」の仕事の魅力はどんなところにあるのですか?

福本:そうなんです、はじめは施設での介護でした。人事異動があって「訪問介護をしてください」といわれたとき、「え!マジ!?」って感じでした。それは、私が寒がりで暑がりだったからです。寒い日も暑い日も自転車に乗ってご自宅に伺うということは無理だと思っていました(笑)。でも、やってみたら、施設介護にはない面白さがありまして。訪問介護は、その時間、マンツーマンで、その方の支援に集中できるというのがいいところです。施設介護では、1人で何人ものご利用者を担当することになるので、マンツーマンというわけにもいかず、チームで対応する感じでした。でも、訪問介護では、その時間、そのご利用者のためだけに集中できるという良さがあります。

介護保険制度の狭間にある支援をしたくて、

ボランティア活動をはじめました

 

編集長:福本さんは、訪問介護の仕事をしながら地域ボランティアもされています。それはどういうきっかけで、どんなことをされているのですか。

福本:以前、訪問介護で訪ねたお宅でこんなことをいわれたことがありました。

「近所の喫茶店でコーヒーを飲みたいので、ご一緒してもらえますか」と。介護保険の制度上、それはできないことになっているのでお断りしたことがありました。聞けば、以前はご友人と喫茶店に行って、一緒にコーヒーを飲むのが楽しみだったそうなんです。ただそのご友人が亡くなられてしまったとのことで・・・。そんなエピソードを伺って、なんとかしたい!と思いました。

そこでうちの法人のメンバーと地域のボランティアさんといっしょに、地域のご高齢者の方がたの介護保険制度では叶えられない「夢」を実現するプロジェクトをスタートさせました。それが、「これができれば人生満足」という名前の活動です。

編集長:今までどんな「夢」を叶えてきたんですか?

福本:例えば、「ジャズ喫茶に行きたい」とか「落語を見たい」といった、一見、本当にささやかだけれど、ご利用者にとっては、ものすごく大切な夢を、地域の人たちと一緒に叶える活動をしています。

先ほどご紹介した喫茶店でコーヒーを飲みながらおしゃべりしたいというご高齢者とは、ボランティアで参加してくれた大学生と一緒に近所の喫茶店に行きました。普段は、うつむき加減に歩いているような感じの方だったのですが、当日は、訪問介護の時には見たこともなかったようなおしゃれな服を着て、背筋をピンと伸ばして喫茶店で大学生とのおしゃべりに興じているのを見て、「喫茶店に誰かと一緒に行く」ということだけで、こんなにもその人らしさや本来の能力を引き出せるのだなと、介護にあたる者として大きな気づきを得ることができました。

 

福祉は楽しい!

特別で「えらい」仕事じゃない

 

編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」の本番では、どんなことを伝えたいですか?

一番は「福祉の仕事もボランティアの活動も楽しい」ってことを伝えたいです。「福祉や介護の仕事をしている」と話すと、たいてい「えらいね」「大変な仕事だね」と、いっていただくのですが、私自身はそれに違和感を覚えています。なぜなら仕事ってどんなものでも大変じゃないですか。福祉にかかわっている人だけが頑張っていてえらい、ってわけではないですし、選んだ仕事が、たまたま福祉の分野だったというだけに過ぎないんです。

ですから、「大変だね」って返されるのではなくて、「あ、そうなんだ」っていってもらえるような世の中に少しずつ変わるよう、今回の出場も、そのきっかけになればいいなと思っています。

編集長:イベントの本番、どのようなスピーチになるのか、楽しみです。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

南関東・甲静ブロック代表の福本さんがプレゼンをする

社会福祉HERO’S TOKYO 2020は、2021年5月19日YouTubeにて生配信!

当日の生配信はこちらから!※リマインダー設定もできます。

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