社会福祉HERO’S TOKYO 2020 プレゼンテーター インタビュー⑥
編集部ニュース
2021.05.10
社会福祉HERO’S TOKYO 2020の開催まであとわずか。そこで当日登壇する、全国7つのブロックから選ばれたプレゼンテーターに、当日への意気込みを語っていただきました。
今回は近畿ブロック代表、CSW(コミュニティソーシャルワーカー)の杉原圭祐さんです。
(聞き手:ひとりひとりが社会福祉HERO’S 編集長 山田英治)
みんなが主役の「居場所づくり」で
地域コミュニティを再生したい。
【近畿ブロック代表】杉原 圭祐(すぎはら けいすけ)さん
地域の方たちと会いづらい状況下でも
モチベーションアップになればと思い、参加。
山田編集長(以下、編集長):まずは、自己紹介からお願いします!
杉原:社会福祉法人聖徳会に勤務している杉原圭祐、39歳です。職種としては、CSW(コミュニティソーシャルワーカー)として働いています。CSWとは、地域でのさまざまな課題を地域の人たちと一緒に解決していくために、支え合いの仕組みをつくる仕事です。
編集長:まずはじめに、このイベントに参加したキッカケについて教えてください。
杉原:施設の上司から、ウチの法人の取り組みについてどんどん発信してほしいという依頼があり、その一環として挑戦しました。コロナウイルス感染拡大を受けて、どの施設も苦労を抱えている現状があります。私たちも、地域の方たちと直接会いづらい状況で、どう参加に対するモチベーションを維持すべきか悩んでいました。日本中の皆さんに取組を知っていただける、機会となり、仲間たちのモチベーションも上がりました。と同時にたくさんのプレッシャーも感じております。「えらいもんに当たってもうたな」と(笑)。
施設の空きスペースが
延べ約3万人のコミュニティスペースに。
編集長:それでは、具体的に現在のお仕事について教えてください。
杉原:仕事の中心として行なっているのは、介護予防のための「健康スタジオまつばら」という事業です。この施設では60代から70代の地域に住む高齢者に対して、ワンコインでさまざまなプログラムを提供しています。体操だったり、趣味活動だったり、スポーツだったり・・・。
郵便局や病院、駅など普段から足を運ぶ場所に近いところにあるので、皆さんに日常生活の延長線上で利用していただいています。講師の先生たちは地域住民の方がたや社会福祉士を経験されている方、初めて教える立場を経験する方など多種多様ですね。
編集長:この施設はどのようなきっかけで生まれたのでしょう?
杉原:もともと施設の1階で地域の高齢者の方に対して相談事業をしていました。その後、福祉制度が変わっていくなかで、相談事業が終了し空きスペースになっていたんです。「この場所、もったいないから、杉原くん、介護予防のためのスタジオを立ち上げてみたら」と突然上司からいわれ、今に至ります(笑)。最初はなかなか人が集まらなくて苦労しました。チラシを配ったり、広告したりして。そのうちに一度来てくれた人たちが口コミで仲間を誘ってくれまして、どんどん広がっていきました。
編集長:延べ3万人の方たちが参加というのは、本当にすごいですよね。
手遅れになる前に相談できる場所に
杉原:この活動をはじめてよかったなと思うのは、この場所が相談スペースだった時には、もう少し早く相談しにきてくれていたら・・・と思うことが多かったのですが、「健康スタジオまつばら」は誰でも気軽に足を運べる施設ということで、地域の高齢者とコミュニケーションを図ることができます。ですから何かあったとき、深刻な状況になる前に、相談いただけるようになりました。「困っている人が相談に来る施設」から「いつか困った時にすぐに相談できる施設」へと変わりました。最近では、参加する地域の人たちが自分たちで地域の課題やご自分のご家族の問題などについて話してくれるようになり、それに対して「あんなイベントをしよう」「こんなプログラムをしよう」と積極的にかかわってくださる方が増えています。介護予防体操からはじまった健康スタジオが、地域の人たち一人ひとりが主役となるようなコミュニティのなかの場になってきました。
地域コミュニティのつくり方のヒントを
学生の皆さんに伝えたい
編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」では、どんなことを伝えたいですか?
杉原:最近、この健康スタジオにも学生たちがインターンシップで来るようになったんです。多くの学生が「地域コミュニティの再生に興味がある」と口にします。そんな学生たちに、私たちがコミュニティソーシャルワーカーとして実践している、地域の人たちの巻き込み方のヒントなどを、お伝えできたらいいなと思っています。私自身、日々手探りで「健康スタジオまつばら」を立ち上げ、地域に広げていったのですが、その過程のなかで学んだことですね。例えば「スタッフとお客様」という関係ではなく、「地域の人たちと私たちスタッフとが一緒に活動をすすめている」という気持ちになれることが大事なんです。健康スタジオにくる人たちは、ただそのプログラムを体験したいだけではありません。そこに集まっている人たち同士でのたわいのない会話が楽しい。地域の課題に対して、ああしたい、こうしたいと考えて実践することが楽しい。そんな気持ちになりたくて、足を運んでくれるわけです。いわゆる「居場所と出番」を提供できることがコミュニティづくりにおいては大切なことで、その環境をつくることが我われの仕事なんだということを伝えたいですね。
編集長:本番が楽しみですね。本日は、貴重なお話をありがとうございました。
近畿ブロック代表の杉原さんがプレゼンをする
社会福祉HERO’S TOKYO 2020は、2021年5月19日YouTubeにて生配信!
当日の生配信はこちらから!※リマインダー設定もできます。