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育児と介護の仕事は両立しやすい!?社会福祉ママスタッフインタビュー ―介護のプロは男の子3人のママその観音様のような笑顔の秘訣は?

先輩・同僚インタビュー

長崎県 執筆者 さいかいっこ 2019.01.25

長崎県西海市に住んでいる「さいかいっこ」です。私は、平成30年に特別養護老人ホームに入職したばかりの新米事務員です。新米事務員の私が、老人ホームで仕事をしながらさまざまな介護に携わる方がたにインタビューをし、介護を学ぶとともに、その方がたのプロフェッショナルぶりを伝えていきます。一児のママでもある私は、介護の現場で働くママにスポットをあてて、仕事と家庭の両立についてもお話を伺いたいと思います!!介護といえば「きつい・汚い・給料が安い」という3Kって言われるほどブラックなイメージで、世間ではマイナスイメージが先行しています。そんな介護の現場で働く女性って実際はどうなの?初回は、働く介護スタッフ平野律子さんにインタビューしてみました!!

平野律子さんは社会福祉法人ふるさとの特別養護老人ホームで介護職として在籍25年、男の子3人のママである一方で、当ホームでは統括主任というベテランスタッフ。平野さんが、どうしてこんなにも長く介護の現場で働き続けられるのか、いつも落ち着いて穏やかな観音様みたいな笑顔でいられるのか。
また同じ働くママとして、お子さんが3人もいて介護の現場で働くことってどうだったのかをぜひ聞いてみたい!!といろんな疑問を聞いてみました。

さいかいっこ:
介護職として働くきっかけってなんだったんですか?

平野さん:
短大の福祉学科に進学して、まだ当時では珍しい介護福祉士の資格を取りました。それからこの特別養護老人ホームに介護職として就職しました。でもね、介護職につきたいって思ったのはもっと前からなんです。私はこの西海市(旧西海町)で生まれ育ったんだけど、小さいころは保育園のお遊戯会などで老人ホームに遊びに行ったり、小学校・中学校では老人ホームの運動会に参加したり、職業体験で老人ホームに訪れたり、幼い頃から日常生活のなかに老人ホームがあって、家でも外でもお年寄りと接する機会が多かったんです。だから介護の仕事をしたいと思ったのは、社会的意義のある仕事をしたいと思ってとか、資格を活かして働きたいとかが動機ではなくて、単純にお年寄りと過ごしてお世話をしたいって高校のときに思ったのが最初のきっかけかな。私にとって老人ホームで働くって、何にも特別のことじゃなかった。だから今までこの仕事を続けてこられたのは、施設で利用者さまと楽しく過ごして、お世話ができるこの環境が好きで、これからもずっとこの現場で働き続けたいと思っています。

さいかいっこ:
すごい・・。本当に小さい頃からの環境も大事ですね。当たり前に日常生活のなかに福祉がある、とっても素敵なことです。介護職に就職するに関わらず、私の子どもも小さい頃から老人ホームのイベントなどに参加させようと思います。平野さんはご結婚されて、お子さん3人いらっしゃいますけど、仕事と家庭の両立って大変じゃないですか?

(子どもたちがまだ小さかった頃の平野さん)

平野さん:
う~ん、大変なこともあるけど、「介護職」は私のなかの基盤のひとつで、そのなかで結婚や出産で環境が変わっていく。それが私にはとてもプラスでした。結婚や出産で、より仕事への意欲が上がって、多様な価値観を持てるようになったし、時間も意識するようになったかな。また夫や両方の親や地域のみんなで子どもを見守ってもらえるこの環境にとても感謝しています。介護職もさまざまな働き方があって、夕方まで勤務の人、日勤だけの人、いろいろあるなか、私は交代制勤務のなかで夜勤もずっとやってきました。
私は夜勤を大変と思ったことはなくて、むしろ夜勤の次の日は休みだから、子どもの参観日やソフトボールの試合を見に行けたり、私の時間が出来たりと昼間の時間をとても有効に使えるんですよ。仕事をすることで子どもには、とくに小さい頃は寂しい思いをさせたかもしれません。だけども離れている時間が子どもをより愛おしく思えて接してこれたし、家族内のコミュニケーションを取るように心がけていました。夫には家庭や育児のこといっぱい手伝ってもらって。子どもは時間とともに育っていくんです。自分で洋服を着れるようになって、学校に行けるようになって。家族がいたから頑張ってこれたし、感謝する思いがあったり。大変なこともいっぱいあったけど、やっぱり楽しい思い出が多いかな(笑)

さいかいっこ:
確かに結婚って価値観が多様化するのはわかります。私は、結婚は修行で、相手は他人として期待しないようにしていますけど。本当に平野さんポジティブです!!仕事でもいつも笑顔ですけど、大変だなって思うことないですか?

平野さん:
そう見える?でも私も、「なんで私が!?」って泣きながら帰る日もあったし、指導するのもエネルギーが必要で、あとで落ち込むこともあります(笑)
特別養護老人ホームでは、6年前からユニットケアを取り入れていて各ユニットに介護スタッフが少人数で専任として配置されています。ユニットケアになってよりスタッフ同士が近くなって、人間関係で学ぶ機会が増えました。
介護スタッフの間が近くなることで、逆に基本の大切さ、ひたむきな思いなど、ほかの介護スタッフから教わることがあったり。私が機嫌悪そうな顔していたら、みんな気を遣うでしょ。だから極力笑顔でいます(笑)。ただ利用者さまに関わること、入浴などに関しては、厳しく指導します。あと、みんな平等に対応しています。いろんな意見を否定するんじゃなくて、一度受け入れてみる。否定するだけ、陰で文句いうだけは建設的ではないし。私はこの職場環境に感謝していて、ここで育ててもらったんです。

さいかいっこ:
素敵な大人の女性です。私も頑張ります!!最後に介護の仕事のなかで楽しいなぁって思うところはなんですか?

平野さん:
ご高齢の方がたと過ごす時間ってすごく尊いもので、心の余裕や人に対する許しがある方が多いんです。もちろんすべての方がそういうわけではないんですが、今までの長い人生のなかで学んできたこと、経験してこられたことを越えて今に至っている方が多いので、介護を通して人生を逆に学ばせていただいてます。
ゴボウのささがきやおはぎづくり、ツワの皮むきなど皆さん今まで家事のなかで培われたことは覚えておられてすごく上手なんですよ。
利用者さまとのひとつひとつの出来事が私は楽しいんです。

さいかいっこ:
平野さんのように私も感謝の心を忘れずに、常に前向きに励みます。
平野さん今日はありがとうございました!!

 

――――――――――
○インタビューを終えて

今回、社会福祉法人ふるさとの特別養護老人ホームで働く統括主任平野律子さんにお話しを伺いました。
平野さんと話してみて、まず意外だったのが、介護職で働く動機でした。介護のやりがいとかそういうキラキラした動機じゃなくて、働くきっかけが高齢者の方がたと一緒に過ごしたいっていう小さい頃から培った日常生活にあること。当たり前に過ごしてきた時間は実際に介護職として働いてもなんの違和感も生み出さなかったこと。そういう環境で生まれ育つってとても大事なことだなって思いました。
それともうひとつ、平野さんとお話して何度も聞いた「感謝」という言葉。職場や家族にいつも感謝していて、そんな平野さんは本当に穏やかで素敵な女性でした。忙しい日常やきついことつらいことがあったら、ついつい当たり前のこととして捉えてしまいがちだけど、当たり前のことに感謝するって本当に大事なことだなと教わりました。
この「社会福祉のママスタッフインタビュー」は、シリーズ化して、子育てしながら働いているさまざまなママ職員の声を紹介していきたいと思います!
私もそうだったとか、こんなこと聞いてほしいなど、いろんなご意見あったらどうぞお知らせください。みなさんのご意見お待ちしています!

さいかいっこ
長崎県社会福祉法人ふるさと

平成29年に主人の生まれ故郷長崎県西海市にお引越しをし、ご縁があって社会福祉法人ふるさとに勤務をしてます。自然が豊かで野菜や魚が美味しく、星空が綺麗なこの地が大好きです☆ スィーツとヨガが好きで、大好きな主人と子どもに囲まれて、日々仕事と家事と育児に奮闘中!!

平成29年に主人の生まれ故郷長崎県西海市にお引越しをし、ご縁があって社会福祉法人ふるさとに勤務をしてます。自然が豊かで野菜や魚が美味しく、星空が綺麗なこの地が大好きです☆ スィーツとヨガが好きで、大好きな主人と子どもに囲まれて、日々仕事と家事と育児に奮闘中!!

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