秋祭りは中止になったけど、皆でハロウィン♪

重い障がいや医療的ケアの必要なお子さんたちが、いきいきと過ごせる場所。「きらり中庄ひかり」で働いているみち先生です。「きらり中庄ひかり」に通う子どもたちは少しの体調不良でも重症化しやすく、コロナ禍でとても不安な日々を過ごしています。子どもたちと身近に接している私たちも、検温・消毒・換気・マスクなど、感染対策を徹底しながら過ごしてきました。

皆が楽しみにしていた年に一度の秋祭りは中止・・・取り合いっこしながら遊んでいた玩具は、一人ずつ離れて遊ぶ・・・いままで当たり前にしていたいろいろなことを、制限しなくてはいけなくなりました。

そんな日々のなかでも、「とても嬉しい経験」が出来ました。

高校生のみつき君は、過去にした手術の影響で頭を触られることが苦手。美容院では泣いてしまうため、小さい頃からお母さんが家でヘアカットをしていました。

ある日、「きらり中庄ひかり」に掲示していたチラシで「訪問カット」という文字を目にしたお母さん。出張してカットをしてくれると聞き、久しぶりにプロの美容師さんにカットしてもらうことにしました。コロナ禍で美容院にも行きづらくなっていましたが、訪問カットなら安心出来ますね。

訪問カットを担当してくれたのは、お子さんが３人いる子育てママの佐々木さん。みつき君のように苦手なことがあったり美容院ではなかなか座っていられなかったりする子どもたちや、子育てで忙しくてなかなか美容院に行けない保護者の方がたが、気軽に利用出来るようにしたい！という素敵な思いをもった方です。そんな佐々木さんを応援するため、法人内の発達障がい者支援センターから地域公益活動推進センターへと繋がり、訪問カットをスタートさせました。

事前に髪型の注文と配慮してほしいことも聞いてくれました。普段から座っていて体勢が安定するバギーにケープをかけて、そのままカットしてもらいます。いつもはお母さんがみつき君を抱えてカットしていますが、これならお母さんもみつき君も楽に過ごせます。

いざ、カット開始～！

みつき君、ちょっと緊張気味？
左右に顔を向けたままキープ。しっかり協力してくれました。

「いつもはもっと顔を動かすのに・・・」と、お母さんも驚き。

お母さんにも協力してもらって、後ろも短くカット。

みつき君の小さい頃を思い出したり「私も切ってもらおうかな！？」と話したりして、ワイワイ楽しくしているうちに、サッパリ短くなりました♪

そして、急きょお母さんもカットしてもらうことに！親子で一緒にカットしてもらうなんて、想像もされていなかったと思います。

カッコよくなったみつき君と、嬉しそうなお母さんを見て、私も嬉しくなりました～。

コロナの影響により、私たちがいままで当たり前にしていたことが出来ない状況になりました。そんななかで感じたのは、障がいがある子どもたちやその家族の方がたは、普段の生活のなかでも“当たり前に出来ないこと”がとても多いということです。美容院に行くこと・遊びに行くこと・買い物に行くこと・お風呂に入ること・・・訪問カットで誰かの力になりたいという佐々木さんと、美容院に行けないことが当たり前になっていたみつき君とお母さんが繋がり、一つ、“当たり前に出来ること”が増えました。素敵な出会いに感謝です。

ハロウィンでは、みつき君もカエル姿がとっても似合っていました。