社会福祉HERO’S

障がい者支援施設のナイスキャラ#1「さっちゃん」

社会福祉な「まいにち」

栃木県 執筆者 さにー 2019.04.05

社会福祉の魅力は何といっても利用者さんとの「関わり」にあります。皆さんそれぞれに個性があり、とっても魅力的!その魅力を一つひとつ発見していくのが日々の支援の楽しみであり、福祉の醍醐味だと私は感じています。

私は現在、障害者支援施設に勤務しています。そこはさまざまな障害により、自宅で生活することが困難となった障害者の方がたが共に生活をしている入所施設です。知的障害がある方がたがほとんどで、利用者さんは一人ひとりさまざまな「こだわり」があります。そのこだわりは服を破いてしまったり、コップのツルツルした表面をずっと確かめていたり、いろいろな形があります。時にはそのこだわりに困ってしまう時もありますが、職員が気づかない新しい発見や、感謝や優しさなど温かい気持ちを毎日教えてくれます。そんな素敵な利用者さんたちを紹介していきたいと思います。

今回ご紹介する方は「さっちゃん」です。さっちゃんは知的障害と躁うつ病があり、元気な時とスローペースな時があります。スローペースな時は下着の裾を直すのに10分以上かかってしまいます。でもそれ以上にさっちゃんはとっても魅力的な人!そんなさっちゃんのエピソードを紹介します。

【とっても几帳面】

さっちゃんは自分のスリッパや靴を脱いだら必ず揃えます。ある日、職員と一緒にタンス整理を行い終え、職員が部屋を出ようとすると自分のスリッパはバラバラですが、さっちゃんのスリッパはきちんと揃えられているのです。いつでも自然にさっちゃんはそれができます。「どっちが職員なのか・・・、見習わなくては・・・」と職員も言うほど、さっちゃんはいつもきちんとしています。

【とっても頑張り屋さん】

さっちゃんは糖尿病で現在もずっと治療をしています。本人も理解しており、おやつを買いに行った時も甘いお菓子ではなくおしゃぶり昆布を自ら選ぶなど、積極的に治療に励んでいます。でも、献立を見てよだれを垂らすほど食べるのが大好きなさっちゃんですから、本当はご飯を山盛り欲しい!そこは我慢だと自分の気持ちを押し殺して「ちょーどいい!」と自分に言い聞かせます。私もダイエット中このひと言はなかなか言えません…さっちゃんえらい(涙)

【とっても優しい】

さっちゃんの日課は犬の餌やり、犬が餌をあちこちに飛ばしながら食べていると、さっちゃんはその餌を拾い集め「どーぞぉ」とまた餌箱に戻してくれます。

ある日、私と朝ごはんの話をしていたさっちゃん「今日は糸昆布だったー!」と元気よく献立を教えてくれます。私は糸昆布の海の香りが何となく苦手で「糸昆布おいしいの?」と聞くと「おいしーよー!!ご飯の先生(調理職員)がつくってくれるんだよ!」とつくってくれる人を思って感謝しているのです。毎日つくってくれる調理職員の気持ちを考えず食わず嫌いを発動した自分が恥ずかしくなりました。犬に対しても、人に対しても優しいさっちゃんに学ばされる日々です。

【とっても耳がいい】

さっちゃんの特技は職員の声あてクイズです。後ろから「だーれだ?」と仕掛けると「〇〇先生!」と百発百中だそうです。担当だけでなくほかの職員でも当てられ、さらに声を変えても分かるくらい耳がいいです。

さっちゃんは歌もすぐに覚えます。カラオケではほかの利用者さんが歌っている歌を一緒に口ずさみます。担当職員によれば、ざっと25曲は覚えているようです。そんなさっちゃんのカラオケの十八番は「赤いスイートピー」。しかし何故かアイドル風ではなくヘビメタ調で歌ってくれます。これを聞かないとカラオケに行った気にならない!と言う職員もいるほど、さっちゃんの歌声のファンは多いです。

今回は、職員も見習いたくなるほど、きちんとしていて優しいさっちゃんを紹介しました。私たちはこうして利用者さんと共に成長させていただいているなあと感じております。これからも素敵な利用者さんをどんどん紹介していきたいです。

さにー
栃木県社会福祉法人あいのかわ福祉会
那須共育学園 看護師

美容業界を目指していたはずが何故か看護師に。両親と姉に言われるがまま実家の社会福祉法人に勤めたけれど、今は利用者さんのトリコ!!高齢者・障がい者・児童、ジャンルにとらわれない福祉のナースを目指して奮闘中です。楽しい利用者さんと過ごしている毎日を知って頂きたくて参加しました。休日はゆったり美術鑑賞かライブで汗を流すという真逆なことをして楽しんでいます。夢は面白い高齢者のエピソードを綴った本「年寄りという生きもの」を出したい!今は自分の祖母から情報収集をしています。最近一番笑ったエピソードは、風呂に柚子ではなく柿があったことです。
社会福祉法人あいのかわ福祉会のHPはこちら→three-ai.jp

美容業界を目指していたはずが何故か看護師に。両親と姉に言われるがまま実家の社会福祉法人に勤めたけれど、今は利用者さんのトリコ!!高齢者・障がい者・児童、ジャンルにとらわれない福祉のナースを目指して奮闘中です。楽しい利用者さんと過ごしている毎日を知って頂きたくて参加しました。休日はゆったり美術鑑賞かライブで汗を流すという真逆なことをして楽しんでいます。夢は面白い高齢者のエピソードを綴った本「年寄りという生きもの」を出したい!今は自分の祖母から情報収集をしています。最近一番笑ったエピソードは、風呂に柚子ではなく柿があったことです。
社会福祉法人あいのかわ福祉会のHPはこちら→three-ai.jp

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