アートはひとをつなぐ!~障害者×アートの可能性は夢限大だと実感した日~
社会福祉な「まいにち」
栃木県 執筆者 Café45 2019.02.01
こんにちは!社会福祉ライターの“Café45”こと輕部です。なぜ、Café45なのかって!?それはただ単にコーヒーが好きだから☆。今の季節は縁側でひなたぼっこして、ゆったりまったりと飲んでいたいですよね。
んっ!?なぜ、45なのかって?そこは謎ナゾなままにしておきましょう。ちなみに年じゃないですよ(笑)
私がこの仕事に魅力を感じたきっかけは20年ほど前に遡ります。私は「ひとに力を与えられる人になりたい」という想いから、小学校の教師をめざしていました。教育実習では母校に行き、いろいろな体験をさせていただきました。そのなかでも、障害をもつ児童の学級で学んだことが、印象に残りました。
「教育」は「福祉」にも繋がっている。ひと対ひとの仕事ですから、もちろんのことです。私は教育実習を通して、人が共に成長していける場所を新しく見つけ、世界が広がった気がしました。自分の将来の選択肢に「福祉」を入れ、そして今この場所にいます。
私が勤務しているすぎのこ会の事業所は栃木県栃木市と日光市にあります。栃木市は「蔵の街」とも呼ばれ、伝統のある町です。日光市は400年の歴史を誇る「日本の光」日光東照宮などがあって、観光地として有名な町です。この2つの地域で、児童期から高齢期に至るまでの一貫した福祉を提供する「トータルサポート」を展開しています。
そのなかで、私は栃木市岩舟町にある「障害者支援施設ひのきの杜」で利用者さんといろんな色の毎日を送っています。とにかく自然溢れる地域なのです。
ひのきの杜は“One for all. All for one.”をテーマに、みんながみんなを想い、夢や生きがいを応援してみんながキラキラした思い出をつくっていける場所をめざしています。
今日ご紹介するのは、利用者さんの“夢を描きた~い!!”という想いに寄り添ったエピソードです。
ひょんな繋がりから、“面白いコト”に発展していきそうな、そんな予感のする出来事を体験しました。
それは、猛暑と言われた真夏の暑さも和らいできた9月の頃。うちの職員がとある事業所を見学したとき、廊下の壁に掛けてある利用者さんの絵画を見つけ、「素敵だな~」と思ったところからはじまりました。「佐山友基(ゆき)さんに見せたら喜ぶかな…」と、驚きに感動がプラスされたような笑顔を想像しながら、写メを撮りました。
佐山さんは身体障害者で、10年ほど前からパソコンを通してグラフィックアートを描いている自他ともに認めるアーティストです。展覧会やコンクールにも出品し、数かずの賞に輝いているという経歴の持ち主です!!
(「肢体不自由児者の美術展」で優秀賞を受賞した作品と佐山友基(ゆき)さん)
もちろん、それを見た佐山さんは「素敵~っ!ぜひ私も生で作品を見たーーい。連れてって~!」と目を大きくキラキラ輝かせ、絶対にダメとは言わせない眼差しを、何気ないおしゃべりの場にいた私に向けてきました。これではもう、“YES”の選択しかありません。佐山さんの夢と生きがいのために協力すべく、私が先方の施設さんとの間を取りもち、一緒に出掛けることになりました。先方の担当者(施設長だった…。)とアポイントを取り、1週間後、佐山さんの手掛けた作品を手にして2人で出掛けました。
天気は良好。車で40分。日差しがあたたかく気持ちのよいドライブで、まだ緑の多く残る街のなかを、うきうきワクワク、私たちの心はすり抜けるようにして、目的の場所へ向かっていきました。
飾られている絵は、どれを観てもとても繊細で素敵でした。しかもそれ以上に、担当者から驚きと喜びの提案を頂く。「彼と一緒に展覧会を開いてみない?」、「絵からインスピレーションを受けて、詩を書く利用者さんもいるんです。ぜひあなたの絵を彼女に見せて、絵に詩を添えたい!」と。ひょんなことからひょんなことへと繋がりつづけ、話は膨らみます。
芸術が、人が、国境を越えて人を繋ぐ。夢は広がっていく。そんな光で溢れていた出来事でした。
私たちの仕事は、利用者さんの生活に寄り添うこと。単純なようですが、生活のなかには私たちの毎日と同じように、「衣食住」、「健康管理」、「美味しいご飯を食べること」、「お風呂に入ること」、「お買いもの」、「旅行」、「夢や生きがい」、「生きることの障壁(バリア)」など、さまざまな出来事があります。そんな出来事に寄り添いながら、利用者さんのお手伝いをしたり、きっかけづくりをしたり。そして時には、声や言葉で表現することが苦手な利用者さんの想い(「○○した~い!」「△△に困ってる~」)を五感で感じ、汲み取っていくことが、私たちに求められる専門性です。この仕事には人生の力(スキル)が求められます。同じ日々なんて絶対になくて、お互いに心と心を通わせながら、利用者さんたちだけでなく私たちも癒(ケア)されながら、私たちも成長していく。「福祉」は、そんな魅力に溢れた仕事なんです。
さてさて。その後の佐山さんですが・・・。
肢体不自由児者の美術展において、みごと「優秀賞」を獲得し、手足の不自由な子どもを育てる運動における「愛の絵はがき賞」にも選ばれ、都内で表彰を受けました。今、彼女の作品は絵はがきとなり、日本中の人びとの心を温めています。
2019年は彼女の年です(年女ですから)。夢に向かって“諸突猛進!”まっしぐらな日々を送っています。今後の作品に、こうご期待あれっ☆
Café45
栃木県すぎのこ会・ひのきの杜
“人に力を与えられるひとになりたい”そう心に決めて、今もこの場所にいます。
福祉の仕事に携わり、もう16年。決して若くはありません(ただheartは若いです…)。でもそれだけに、失敗も嬉しいできごともたくさん経験し、そして利用者さんや家族から“福祉って一体何なのか”を学ばせてもらいました。
ここでは、福祉現場のできごとや福祉というキーワードに至るまでにかなり遠回りするエピソードなどを、ラフに幅広くお伝えしていきたいと思います。一つ一つの物語のバトンを皆さんとつなぐことができたら、とても嬉しいです☆
“人に力を与えられるひとになりたい”そう心に決めて、今もこの場所にいます。
福祉の仕事に携わり、もう16年。決して若くはありません(ただheartは若いです…)。でもそれだけに、失敗も嬉しいできごともたくさん経験し、そして利用者さんや家族から“福祉って一体何なのか”を学ばせてもらいました。
ここでは、福祉現場のできごとや福祉というキーワードに至るまでにかなり遠回りするエピソードなどを、ラフに幅広くお伝えしていきたいと思います。一つ一つの物語のバトンを皆さんとつなぐことができたら、とても嬉しいです☆