困っている利用者さんにほっこりした言葉がかけられる職員になりたい ~介護福祉士 三島さや華さんインタビュー~
先輩・同僚インタビュー
長野県 聞き手 ふくちゃん 2019.03.19
ふくちゃんです。私は、長野県の南に位置する日本一星空がきれいな村(環境省全国星空継続観察平成18年度1位)阿智村で障害者支援施設の施設長をしています。
私たちの施設は障害者支援施設です。重い身体障害のため、在宅での生活が極めて困難な方が入所されている施設です。目に見えた形での身体の回復は望めませんが、利用者さんが少しでも前向きに生活できるように支援しています。
中堅職員として活躍している三島さや華さんに、日ごろどのように利用者さんを支援しているか話を聞いてみました。
1.介護の仕事についたきっかけは何ですか?
三島さん:福祉の仕事をやろうとは思っていませんでした。どこか就職できれば良いと思っていた時に、バイトの常連のお客さんに、あなたは性格も明るいし、気が付く人だから、あなたを見ていると幸せな気分になれる。介護福祉士が向いてるといわれ、そういう選択肢もありかなと思いました。
障害者施設は介護福祉士の資格がなくても就職できるので、帰省した夏休みに養護学校とパンを作っている精神障害者の施設でバイトして自分に向いていると思ったので、障害者施設に就職しようと決めました。
2.入職してうれしかったことは何ですか?
三島さん:この施設の利用者さんは全介助の皆さんばかりです。誰でもそうだと思いますが、ルーティーンワークがきちんとできないとその日の生活リズムが狂ってしまいます。最初はそれができなくて、洗濯場の前でいじいじしていた時、3つ上の先輩がそばに寄ってきて、耳元で要領よくアドバイスしてくれたことがうれしかったです。
ある利用者さんからは、慣れない新人に介護されるのは嫌だから、最初は無視されたりきつい言葉をかけられたりしてへこみましたが、やさしい利用者さんもたくさんいて、慰めてくれたり一生懸命やっているとほめてくれたりしたことです。
3.ふだん気を付けていることは何ですか?
三島さん:自分がされて嫌なことは、利用者さんには絶対してはいけないと思っています。
また、性格的なことが分からない利用者さんのことは先輩に聞き、利用者さんの信頼を裏切らないことが大切だと思います。
4.この仕事のやりがいはどんなことですか?
三島さん:入所した時は意欲がなく全介助だった利用者さんが、自力でトイレへ行くことができるようになったことです。
ジグソーパズルが好きで、うまくできると一緒に喜んだりほめたりして信頼関係ができたところで、起き上がることからはじめました。いまでは、介助は必要ですが、おむつは外れました。短時間ですが、立った状態でいることもできるようになりました。新聞紙でつくるゴミ袋作りを手伝っていただき職員も助かっています。自分の役割が出来てよかったなと思っています。
5.その他楽しい出来事はありましたか?
三島さん:季節ごとに掲示物を飾る係をしていますが、最初は、通常業務以外の面倒な仕事だと思っていました。でも、利用者皆さんの感想を聞き、相談しながらやっていくうちに、ペットのかわいい写真を飾ってほしいと言われ、いろいろ工夫して飾ったところ大変喜ばれ、こちらの声も届いているなと分かったときはうれしかったです。
6.休日は何をしてますか?
三島さん:温泉に行くことです。塩尻市にある信州健康ランドにはよく行きます。伊豆の伊東温泉とか掛川温泉へも行きました。最近は彼氏もできたので2人でロックバンド「THE COLTS(ザ・コルツ)」や名古屋スカフェスのライブを聞きに行きました。
7.結婚されてもここで勤めますか?
三島さん:先輩職員の皆さんも子育てしながらここで勤めているので私もそうしたいです。
8.今後の目標やチャレンジしたいことを教えてください。
三島さん:利用者の皆さんとの円滑なコミュニケーション技術を身に付けたいです。利用者さんのなかには、親より早く死んでしまいたい、あまり迷惑をかけたくないといわれる方もいます。そういう時にほっこりとした言葉がかけられる職員になりたいと思います。落ち込んでいたり、悩んでいたりする利用者さんに寄り添った言葉がかけられたらいいなあと思います。
インタビューを終えて:
福祉のことはあまりわからずに入職した三島さんですが、性格も明るく気が利く人です。「ほっこりとした言葉がかけられる職員になりたい」という言葉を聞いたとき、とても感激しました。宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ」という有名な詩がありますが、人の役に立ちたいという点で、どこか通ずるものがあるのではないでしょうか。
1月にお茶会を行いました。
真んなかが筆者。左隣の女性はいつも元気な利用者自治会の現会長さん(電動車椅子を口で操作します)右隣の男性は中日ドラゴンズ大ファンの前自治会長さん
ふくちゃん
長野県社会福祉法人下伊那社会福祉会
阿智温泉療護園 園長
日本一の星空で有名になった長野県の南に位置する阿智村の身体障害者の施設に勤めて39年。勤めはじめのころはひどいところにきたものだと思っていましたが、利用者さんと気心が通じるようになると、次第に居心地の良いものになってきました。でも、性格はいまだにシャイで、自分にとって苦手なこと、不得意なことばかり取り組んできたように思います。今回、老骨に鞭打って、社会福祉の魅力を発信するライターにチャレンジしてみたいと思いました。よろしくお願いします。
日本一の星空で有名になった長野県の南に位置する阿智村の身体障害者の施設に勤めて39年。勤めはじめのころはひどいところにきたものだと思っていましたが、利用者さんと気心が通じるようになると、次第に居心地の良いものになってきました。でも、性格はいまだにシャイで、自分にとって苦手なこと、不得意なことばかり取り組んできたように思います。今回、老骨に鞭打って、社会福祉の魅力を発信するライターにチャレンジしてみたいと思いました。よろしくお願いします。