社会福祉HERO’S TOKYO 2020 プレゼンテーター インタビュー⑤
編集部ニュース
2021.05.07
社会福祉HERO’S TOKYO 2020の開催まであとわずか。そこで当日登壇する、全国7つのブロックから選ばれたプレゼンテーターに当日への意気込みを語っていただきました。
今回は北海道・東北ブロック代表、保育士の高橋恵理さんです。
(聞き手:ひとりひとりが社会福祉HERO’S 編集長 山田英治)
保育士が関われるのは保育園だけじゃない!
孤立しがちな親子を支え、保育の可能性を切り拓く
【北海道・東北ブロック代表】高橋 恵理(たかはし えり)さん
山田編集長(以下、編集長):まずは、ご自身のプロフィールからお聞かせください。
髙橋:社会福祉法人和幸園の地域子育て支援センターに勤務しています高橋恵理、34歳です。肩書は副主任保育士になります。
編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」のブロック代表に選ばれた今の心境はいかがですか?
髙橋:北海道・東北というものすごく広いエリアになるので、「選ばれることは無いだろうけど、チャレンジしてみよう」というくらいの気持ちで応募しました。ですから、メールがきてスクロールした先に「決定」と見た時は本当にびっくりで!高校受験に合格したかのような胸の高まりを感じましたね。選ばれたほかの皆さんは高齢や障がい関連の分野で、保育分野は私一人だけなんです。ですから一層、保育の現状だったり、やりがいや楽しさを自分が伝えなきゃ、と責任を感じているところです。
編集長:周りの方からはどんな反響がありましたか。
髙橋:この結果を一番喜んでくれたのは理事長ですね。実はHERO’Sのイベントを紹介してくれた人でもあります。和幸園からはそもそも3人がエントリーしていたのですが、あとの2人の職種はいずれも高齢の分野で、かつ施設長クラス。3人応募したなかでまさか自分が選ばれるなんて・・・。これは想像できませんでした。実は理事長は、去年の社会福祉HERO’Sのイベントを見に行ったくらいのHERO′Sファンなんです。本当に楽しみにしているみたいなので、その分プレッシャーがハンパないんですよ(笑)。
保育園や幼稚園に通っていない
地域で孤立しがちなママをサポート
編集長:高橋さんは、どんなお仕事をしているのでしょうか。
髙橋:保育士として地域子育て支援センターで働いています。地域子育て支援センターとは、簡単にいいますと、赤ちゃんから幼少期に保育園や幼稚園に通わず自宅で子どもを育てているママやパパをサポートする事業の一つです。うちの施設は、青森市の中心にあって、転勤族が多いので、地域に知り合いがいない、親や親戚もいない、そんな孤立しがちなママたちに息抜きをして帰ってもらうような居心地のよい場所づくりを心がけています。そこで私たちは、子育ての情報発信をしたり、ママたちとお話したり、ママ同志を繋いだり、もちろん子どもたちとも遊んだりして、その過程で見えてきたママたちの不安やストレスを取り除いたり、必要な方に必要なサポートができるよう専門職へと繋げるなどのサポートをしています。
編集長:保育園勤務の保育士と子育て支援センター勤務の保育士では、仕事の醍醐味のようなものに違いはあるのでしょうか。
髙橋:子育て支援センターで働くことの醍醐味は、赤ちゃんにとっての最初の先生になれることかもしれません。ほとんどの親子が、保育園や幼稚園に行く前にここにくるわけです。赤ちゃんにとっても、ママやパパにとっても、初めての子育ての先生、みたいな感じになれるのがいいところかもしれません。保育園だと、子どもとは接しますが、保護者の皆さまの思いにしっかりと触れ合う機会はなかなか少ないですが、子育て支援センターではむしろ、ママやパパたちの思いに寄り添う部分が一番大切なんです。そしてママやパパと共に、その子の成長の過程を一緒に見守っていく、そこがおもしろいことかなと思っています。
編集長:なるほどー。ママたちとの関係のづくり方も大切になってきそうですね。
高橋:はい、まさに、そこが私たちの仕事をする上で大事なポイントになってきます。日中は、赤ちゃんと二人きりで過ごすことの多いママたちとお話しながら、抱えている不安を聞き出したり、それに対して提案をしたり。ママたちとの関係性ができてくると、ママの本音が見えてくるようになって、「子どもに対してイライラしちゃうときがあるんですけど、どうしたらいいでしょうか」とか、本音を話してくれるようになるんです。それに対して私たちとしては、本当に寄り添って聞くことしかできないのですが、話し終えて帰る頃には、最初は暗かった表情がパッと明るくなるんです。そうした様子を見ると、嬉しくなりますね。転勤族の方たちが多いので、しばらくすると、引っ越しされてしまうのですが、今でもそのママたちとメールやLineなどで繋がっていたりします。
コロナ禍をきっかけに
保育士がYouTubeで情報発信
編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」の本番では、どんなことを伝えたいですか?
髙橋:新型コロナウイルス感染症の影響により、子育て支援センターの利用ができなくなりました。一人で子どもと過ごす時間が多いママたちは大丈夫かなと心配になって、電話やメールで連絡をとってみると、案の定、本当に煮詰まっていて、大変な状況になっていたんです。そこで保育士の仲間たちと話し合ってYouTubeに挑戦することにしました。最初は、顔出しでYouTubeに出ることに抵抗していた保育士たちもいざカメラが回るとエンターテイナーに早変わり!!さすが保育士、といった感じで歌ったり踊ったり楽しんで動画をつくっています。
動画は地域のママたちに評判がよく
「揚げ物をしている5分間、ちょっとひと息つきたい5分間、手が離せない5分間など、うちでは喜んで活用させていただいています」
「先生たちの一生懸命な姿に元気をもらいます」
といった感想をいただいて、喜ばれています。この動画を見て、保育園への入園を決めてくれた人もいました。嬉しい限りです。
保育士と一言で言っても、保育園の先生として働くだけではなく、子育て支援センターで働いたり、YouTubeで動画をつくって発信したり、いろいろなことができると思うんです。これから保育士は、情報をどんどん発信したり、自ら地域に足を運ぶ時代になっていくと思います。そんな保育士の姿を、保育や福祉を志す若者たちに見てもらいたいです。
編集長:プレゼンの本番が楽しみですね。貴重なお話をありがとうございました。
北海道・東北ブロック代表の高橋さんがプレゼンをする
社会福祉HERO’S TOKYO 2020は、2021年5月19日YouTubeにて生配信!
当日の生配信はこちらから!※リマインダー設定もできます。