社会福祉HERO’S TOKYO 2020 プレゼンテーター インタビュー④
編集部ニュース
2021.05.03
社会福祉HERO’S TOKYO 2020の開催まであとわずか。そこで当日登壇する、全国7つのブロックから選ばれたプレゼンテーターに当日への意気込みを語っていただきました。
今回は、北関東・信越ブロック代表の佐々木潤さんです。
(聞き手:ひとりひとりが社会福祉HERO’S 編集長 山田英治)
障がい者の就労がもっと当たり前の社会にしたい。
一人ひとりの「得意」を活かした支援を。
【北関東・信越ブロック代表】佐々木 潤(ささき じゅん)さん
山田編集長(以下編集長):まずは自己紹介の方、お願いします。
佐々木:社会福祉法人元気村で就労支援員を務めています佐々木潤です。30歳です。社会福祉法人元気村では、身体、知的、精神に障がいがある方がたを受け入れています。私はそこで、将来は社会に出て働きたいと思っている障がい者の方への就労支援をしています。
まさか自分がヒーローに!?
なかなか知られていない「就労支援」の仕事の魅力を伝えたい。
編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」のブロック代表として選ばれた心境をお聞かせください。
佐々木:率直に申し上げれば「まさか自分が」という気持ちです。就労支援員はサポート役に徹する仕事なので、メインとして表に立つ場面が少ないんです。ですから、人前でプレゼンテーションをするのはもちろん、人前で話すことすら慣れていません。それでも、自分たちの仕事を知ってもらえる機会をいただけるのはありがたいお話です。ぜひ学生の方がた、これから福祉の世界へ飛び込もうという思いをもつ方がたにメッセージを送りたいと思っています。今や、障がいがある方の企業での就労は珍しくありません。一方で障がい者の方が就労するまでの過程を知る人は多くありません。企業で一定数、障がい者を雇用しなければならないなどの決まりが生まれていますが、実際に彼ら、彼女たちがどのような努力を重ねて就労をめざしているかまでは発信する機会がなかったんです。このイベントを通して、ぜひ彼ら、彼女たちの頑張りについても伝えたいですね。
編集長:サポート役として見えている景色を伝えたい、というお話ですね。イベントへの参加が決まり、周りの反応はいかがですか?
佐々木:事業所のご利用者から、「ヒーロー」と呼ばれますね(笑)。プレッシャーも感じますが晴々しい舞台ですので、ヒーローとして胸を張って臨みたいと思います!
硬式野球ボールの修繕活動などを通じて
企業で仕事をしていくための力をつけていく。
編集長:佐々木さんの現在のお仕事について教えてください。
佐々木:社会に出て働きたいという意思のある障がい者の方に就労体験などを通して自立のための力をつけていただき、最終的には、実際の企業とマッチングし、就労を実現する仕事です。
編集長:障がい者と企業とのマッチング、というだけではないんですね?具体的にどのようなことをしているのですか?
佐々木:社会のルールを学ぶための就労セミナーや硬式野球ボールの修繕、農業、そして餃子の製造などをしています。
編集長:硬式野球ボールって?高校球児とかプロ野球選手が使う皮張りの本格的なボールですか?
佐々木:はい。全国の高校の野球部などで破損したボールを、当園で修繕して、再び練習用のボールとして再生するという仕事です。糸のほつれを修繕したり、革を張り替え再生する作業をしていただきます。細かい作業で集中して取り組む必要があります。それをやっていただくことで、実際に仕事についた時のトレーニングになるんです。
農業での作業では体力をつけたり、みんなで分担して作業することでチームで働くための力をつけていただきます。
我われが再生したボールが、プロ野球・中日ドラゴンズで活躍した吉見一起選手の「アゲインボールプロジェクト」やプロ野球選手の慈善活動をサポートする「BLF(ベースボール・レジェンド・ファウンデーション)」でも採用され、メディアなどでも紹介されたことがありました。それはご利用者も、家族も、そして私たちもとても喜ばしいことでした。
編集長:就労支援の仕事のなかでいちばんやりがいを感じるのはどのような時ですか?
佐々木:企業の方がたに、「採用してよかった」といっていただける瞬間が嬉しいです。また、就職したご本人たちからの「元気にやっています」という報告の電話をもらうのも幸せの一つですね。企業も、ご本人たちも、私たちも幸せな気持ちになれるのが一番だと思います。
「得意」のパワーで社会参画!
必要不可欠な人材として社会に認知してほしい。
編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」の本番では、どんなことを伝えたいですか?
佐々木:障がい者の方がたが社会参加することの意義について知ってほしいですね。訓練を続けていると、ご利用者の得意分野が見えるんです。その「得意」を活かすことができる企業がないかを調査してアプローチし、マッチングをめざします。健常者の方と比べれば「得意」と「苦手」が極端ですが、「得意」については、とても優れていることがしばしばあるんです。例えば、ご利用者のなかには、検品などの力に長けている方がいるんですよ。企業には、すべてオールラウンドにできる人材だけじゃなく、一点に秀でた能力が必要なこともありますよね。現在、従業員数45.5人以上の企業では、その2.2%以上の障がい者を雇うことが求められていますが、法律で決められているから障がい者を雇うという考え方ではなく、その企業にとって必要不可欠だからこそ雇う、という意識に変わっていくといいなと思っています。そのことを当日、伝えたいです。
編集長:イベントの本番がたのしみです。 本日は、貴重なお話をありがとうございました!
北関東・信越ブロック代表の佐々木さんがプレゼンをする
社会福祉HERO’S TOKYO 2020は、2021年5月19日YouTubeにて生配信!
当日の生配信はこちらから!※リマインダー設定もできます。