社会福祉HERO’S

社会福祉HERO’S TOKYO 2020 プレゼンテーター インタビュー③

編集部ニュース

2021.04.30

社会福祉HERO’S TOKYO 2020の開催まであとわずか。そこで当日登壇する、全国7つのブロックから選ばれたプレゼンテーターに、当日への意気込みを語っていただきました。

今回は中国・四国ブロック代表、社会福祉士の清末 將斗さんです
(聞き手:ひとりひとりが社会福祉HERO’S 編集長 山田 英治)

 

福祉の「楽しさ」を伝えるために。

ヒーローが掲げる未来のビジョンとは。

【中国・四国ブロック代表】清末 將斗(きよすえ まさと)さん

めざすは入居者さんの「自立」
社会での「共生」をめざすヒーロー登場

 

山田編集長(以下、編集長):まずは、ご自身のプロフィールからお聞かせください!

清末:社会福祉法人 共生の里「心の駅下関 吉母ホーム」で、サービス管理責任者をしています清末 將斗、30歳です。私が所属する施設は、障がい者が暮らしているグループホームです。私の仕事は、寮の管理人のような仕事をしながら入居者さんがその後、社会に出るための計画を立てたり、支援をしたりする仕事です。「社会福祉士」の資格も生かして、いわゆる「ソーシャルワーカー」という立場でもあります。

編集長:「社会福祉HERO’S TOKYO 2020」に参加するキッカケはどんなことでしょう?

清末:はい。社会福祉協議会の方から声を掛けていただき、このイベントについて知りました。いままでずっと自分のやってきた福祉のことをたくさんの人たちに伝えたいと思っていたので、登壇が決まったとき本当に嬉しかったです。

入居者さんたちの個性に合わせて

「自立」というゴールに向かって支援

 

編集長:現在のお仕事について、詳しくお聞かせください。

清末:私の勤務するグループホームには、主に知的障害や精神障害を抱える方がたが暮らしていらっしゃいます。彼らの「自立」をめざすための支援が私の仕事です。いつか一人暮らしを叶えることがゴールになるわけですが、その目標の前には小さな課題がたくさんあります。例えば、生活費用の管理です。家賃や光熱費を取っておいて、残った分から食費を算出する・・・。単純な計算に思えますが、社会経験が少ない方にはイメージしづらく難しいのです。いままで社会に出たことのない方も多いですから。

編集長:「自立」へのハードルがあるのですね。

編集長:でも、「自立」までの間すべてを見守ることはできません。夜に若い入居者さん同士でどんちゃん騒ぎをして近所からクレームが来たり、勝手に外出してかなり遠くまで移動してしまったり、かずかずの出来事を経験しましたね。でも、それってなんか面白いじゃないですか。それぞれのキャラクターが光っているというか。

編集長:確かに、捉え方次第かもしれませんね。

清末:入居者の皆さん一人ひとり、本当に面白い個性をもっています。その個性に目を向けたいんです。ちゃんと向き合えば、きっと新しい未来が拓けると信じています。これまで、介護という言葉はどこか「手伝う」「やってあげる」という意味合いが強調されていました。これからは一方的なサポートではなく、その人の良さを活かして「自立」をめざす仕組みが必要だと思っています。

児童養護施設で暮らしていた少年時代、

福祉の魅力にハマっていった


編集長:
そもそもなぜ社会福祉の世界に入られたのですか?

清末:実は、私は、小学生のとき公園で生活していたことがあったくらい大変な家庭で育ちました。中学生の頃から親とは離れて児童養護施設で暮らしていました。途中から施設に入ったこともあって、幼少期から暮らしている子どもたちとなじめないこともありました。福祉施設でボランティアをすることになったときに「お前も行ってこい」と先輩から言われるようになり、でもそのおかげで、福祉の世界にハマってしまったんです(笑)。主に夏祭りや文化祭といった行事のボランティアだったのですが、ご高齢者や地域の人たち、スタッフの方から、たくさんの感謝の言葉をかけていただいて。「あ、自分も誰かの役に立っている!認められた!」という気持ちになりました。そんな福祉って楽しいな、将来はこういう仕事に就きたいなと思うようになりました。

ゲーム・音楽・エンタメを利用

「楽しい!」をケアの真ん中に

 

編集長:現在の仕事での「楽しさ」や「醍醐味」について教えてください。

清末:はい。以前、このような方がいらっしゃいました。発達障害がある方で、気持ちが落ち着かず、人に手を上げてしまうような方で、ご家庭での対応が困難ということでグループホームで暮らすことになりました。施設のなかでもなかなか落ち着かない状態で、周りの職員も、あの手この手でケアしてたんです。そこで私は彼があるスマホゲームにハマっているのを知って、自分もそれをやりはじめました。ある程度マスターした段階で、その方に「ゲーム、いまどこまで進んでる?」と話し掛けたら反応があって。自然とコミュニケーションがとれるようになっていきました。周りの職員ともそのことを共有し、彼らもゲームのネタなど共通の話題を見つけて話すようになって、ようやくみんなと関係性を築けるようになりました。3年、かかりましたね。

編集長:おぉ、それはすごいですね。

清末:自分は音楽が趣味で、音楽活動をやっていたんですが、そのこともあって、ゲームをはじめ音楽やエンタメ的なものを日々のケアに生かすことは有効だと思うようになっていきました。「楽しい! 」ということを真ん中におくと、入居者の方がたが心を開いてくれるんです。

最近では、ご入居者たちのケアの一つで、一緒に演奏したり、児童養護施設などでライブをしたり、リモート環境を活用して難病の方とセッションをしたり、音楽×ケアで、いろんな挑戦をしています。

編集長:それは楽しそうです。

清末:僕の場合は音楽でしたが、スタッフそれぞれが趣味や特技をもっているので、それを福祉と掛け算して行けば、ケアの可能性がどんどん広がっていくと思うんです。例えば、スポーツが得意ならスポーツ×ケア、イラストが得意ならイラスト×ケア。それによって福祉の可能性はどんどん広がっていくと思うんです。社会福祉HERO’S TOKYO 2020の本番ではこうした試みについて伝えたいと思っています。

編集長:本番が楽しみですね。本日は、貴重なお話をありがとうございました!

中国・四国ブロック代表の清末さんがプレゼンをする

社会福祉HERO’S TOKYO 2020は、2021年5月19日YouTubeにて生配信!

当日の生配信はこちらから!※リマインダー設定もできます。

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